君がいた奇跡
__翌日

小雨が降っていた。

身体が鉛のように重く、起き上がれない。

指先を動かしただけで汗だくになり、
視界もぼんやりとする。

でも、私は身体より心の方が弱って
いた。

どうして翔の励ましの言葉を素直に
受け止められなかったんだろう。

冷静に考えてみると、自分の悪い点が
たくさん見えて来た。

とても不安だった。

「自分で翔に言ったのに」

私はつぶやき、自嘲した。
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