君がいた奇跡
こんなに孤独でこんなに寂しくて、
こんなに虚しい気持ちを味わうのは、
生まれて初めてだった。

そんな日が続くうちに、私は無口で
笑わなくなって行った。

別人のように暗くなった私を仕事帰りや
休憩時間などを利用して、時々
やって来るお母さんはとても心配
してくれた。

翔と喧嘩した事はお母さんには
隠しておいた。

心配性のお母さんはそんな事を
言ったら、もっと心配して
しまうから。

また迷惑をかけてしまうから。
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