君がいた奇跡
「春奈、何かあったの? 」

何度も何度も聞いたお母さんの質問。

「何にもないって」

お母さんと目線を合わせずに言う。

目を見ると、全てを見透かされる
ような気がしたから。

「そう? じゃあ、お母さん、仕事に
戻るわね」

私はまた嘘をついた。
< 50 / 172 >

この作品をシェア

pagetop