僕の可愛いシロ [短編]
Ⅶ
次の日、僕は無断欠席をした。
母親が今日帰ってきたらまたうるさく言ってくるだろう。でも……どうしても行く気にはなれなかった。
布団を頭まで被ったままでいると、シロがその隙間から無理矢理入り込んでくる。遊んで欲しいのかしきりに僕のパジャマを引っ張る。
「――やめろよっ!」
苛立って、つい声を荒げた。シロはその声にビクッと体を震わせ、そろそろと大人しく布団から出ていった。いつもは愛おしく僕の目に映るシロの姿や行動も、今日ばかりは、ただただ苛つきを増させるばかりだった。
シロが悪いんじゃないことはわかっている。
ただ……情けなくて。哀しくて。辛くて。こんな自分が嫌で嫌でしょうがなかった。
いつの間にか眠りについてしまったようだ。布団から顔を出すと、もう夕方なのかオレンジ色の光が差し込み部屋を染めていた。
夢を見た。
“シロ”の夢。僕は夢の中でシロとじゃれあっていた。と言っても、今ここにいるシロじゃない。
母親が今日帰ってきたらまたうるさく言ってくるだろう。でも……どうしても行く気にはなれなかった。
布団を頭まで被ったままでいると、シロがその隙間から無理矢理入り込んでくる。遊んで欲しいのかしきりに僕のパジャマを引っ張る。
「――やめろよっ!」
苛立って、つい声を荒げた。シロはその声にビクッと体を震わせ、そろそろと大人しく布団から出ていった。いつもは愛おしく僕の目に映るシロの姿や行動も、今日ばかりは、ただただ苛つきを増させるばかりだった。
シロが悪いんじゃないことはわかっている。
ただ……情けなくて。哀しくて。辛くて。こんな自分が嫌で嫌でしょうがなかった。
いつの間にか眠りについてしまったようだ。布団から顔を出すと、もう夕方なのかオレンジ色の光が差し込み部屋を染めていた。
夢を見た。
“シロ”の夢。僕は夢の中でシロとじゃれあっていた。と言っても、今ここにいるシロじゃない。