僕の可愛いシロ [短編]
 次の日、僕は無断欠席をした。


 母親が今日帰ってきたらまたうるさく言ってくるだろう。でも……どうしても行く気にはなれなかった。
 布団を頭まで被ったままでいると、シロがその隙間から無理矢理入り込んでくる。遊んで欲しいのかしきりに僕のパジャマを引っ張る。

「――やめろよっ!」
 苛立って、つい声を荒げた。シロはその声にビクッと体を震わせ、そろそろと大人しく布団から出ていった。いつもは愛おしく僕の目に映るシロの姿や行動も、今日ばかりは、ただただ苛つきを増させるばかりだった。
 シロが悪いんじゃないことはわかっている。

 ただ……情けなくて。哀しくて。辛くて。こんな自分が嫌で嫌でしょうがなかった。



 いつの間にか眠りについてしまったようだ。布団から顔を出すと、もう夕方なのかオレンジ色の光が差し込み部屋を染めていた。


 夢を見た。

 “シロ”の夢。僕は夢の中でシロとじゃれあっていた。と言っても、今ここにいるシロじゃない。



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