僕の可愛いシロ [短編]
しかし、そんな生活は長くは続かなかった。
シロが家に来て三日目。まだ低学年だった僕は、比較的早く家に帰ってきていたように思う。
その日、玄関のドアを開けると母親が仁王立ちして僕を待ち構えていた。母親の足元には、申し訳なさそうに疼くまるシロの姿があった。
「ユウスケっ! あんた親を騙してどういうつもりなのっ!?」
母親が僕の名前を呼び捨てにしたのは、確かこの時が初めてだ。
僕が押し黙っていると、母親は汚らしい物を触るようにシロの首ねっこを摘んで、僕の胸に押し付け「さっさと捨ててきなさいっ!」と、あの甲高い声を更に荒げて怒鳴った。
僕はしゃっくりを上げながら、シロを公園にある段ボールの中に連れて行った。
ごめんねごめんね。シロ、ごめんね……。
それからもシロが気になって、毎日学校の帰りに公園を覗いていた。
僕のことがわかるのか、シロは僕が近付く度に「ミィ」と小さな声を上げた。堪らなく嬉しかったのを覚えている。
シロが家に来て三日目。まだ低学年だった僕は、比較的早く家に帰ってきていたように思う。
その日、玄関のドアを開けると母親が仁王立ちして僕を待ち構えていた。母親の足元には、申し訳なさそうに疼くまるシロの姿があった。
「ユウスケっ! あんた親を騙してどういうつもりなのっ!?」
母親が僕の名前を呼び捨てにしたのは、確かこの時が初めてだ。
僕が押し黙っていると、母親は汚らしい物を触るようにシロの首ねっこを摘んで、僕の胸に押し付け「さっさと捨ててきなさいっ!」と、あの甲高い声を更に荒げて怒鳴った。
僕はしゃっくりを上げながら、シロを公園にある段ボールの中に連れて行った。
ごめんねごめんね。シロ、ごめんね……。
それからもシロが気になって、毎日学校の帰りに公園を覗いていた。
僕のことがわかるのか、シロは僕が近付く度に「ミィ」と小さな声を上げた。堪らなく嬉しかったのを覚えている。