僕の可愛いシロ [短編]
 けれど、シロを公園へと返してから四日目。

 いつものように学校帰りに公園に立ち寄ると、よれた段ボールの中にいるはずのシロの姿がなくなっていた。


 シロっ!?

 僕は慌てて公園の中を探し回った。しかしいくら探しても、一向にあの小さな体を見つけることは出来なかった。
 もしかしたら、他の優しい誰かに拾われたのかもしれない。そう思い、寂しさが込み上げたがシロが幸せになれるならそれでいい。そう思い直した。


 僕がとぼとぼと歩きながら公園を出ようとした時、公園の入り口でエプロンをしたままの主婦らしき女の人が二人、立ち話をしていた。
 否応なしに、隣を通り過ぎる僕の耳にその会話が入り込んでくる。

「そう言えばお昼過ぎ、ここの公園の前で猫が車に轢かれたらしいわよ?」
「まっ! 怖いわねぇ〜……黒猫なら縁起悪いわよねぇ」
「ううん、黒じゃなくて白い猫だって武田さんの奥さんが言ってたわよ? まだ子猫だったって!」
「まぁ、可哀相にねぇ」

 白い……子猫?

 僕は耳を疑った。まさか……まさか、そんなことあるはずがない。



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