僕の可愛いシロ [短編]
そして渋々ドアに近付き、ノブの下に取り付けられているプッシュ式ボタンに暗証番号をゆっくりと打ち込み始めた。
“0607”
僕しか覚えていない、僕の誕生日。
あの時――母親に部屋にいるシロを見付けられたまだ僕が幼かったあの日、僕は絶対に自分の部屋に鍵を付けようと心に誓った。
そして中学生になったと同時に、貯めてあったお小遣いで最新式の鍵を購入した。
外側からは普通に鍵穴に鍵を差し込むだけだが、内側からもこうして暗証番号を打ち込まないと開けられない仕組みになっている。
暗証番号を知っているのは僕一人。鍵を持っているのも僕一人。
つまりは、僕だけがこの部屋を自由に使用出来るというわけだ。
もし仮に、母親や他の誰かが部屋に入ったとしても抜け出せない。まさにアリ地獄だ。
“0607”
僕しか覚えていない、僕の誕生日。
あの時――母親に部屋にいるシロを見付けられたまだ僕が幼かったあの日、僕は絶対に自分の部屋に鍵を付けようと心に誓った。
そして中学生になったと同時に、貯めてあったお小遣いで最新式の鍵を購入した。
外側からは普通に鍵穴に鍵を差し込むだけだが、内側からもこうして暗証番号を打ち込まないと開けられない仕組みになっている。
暗証番号を知っているのは僕一人。鍵を持っているのも僕一人。
つまりは、僕だけがこの部屋を自由に使用出来るというわけだ。
もし仮に、母親や他の誰かが部屋に入ったとしても抜け出せない。まさにアリ地獄だ。