僕の可愛いシロ [短編]
それでも一度、学校に向かうふりをしてマンガ喫茶に行った事がある。
しかしその日の夕方、家に帰るといつもは仕事でいないはずの母親が待ち構えるように玄関に立っていて、それは凄い剣幕で僕を怒鳴り散らした。
先生からママの携帯に電話あったわよ!
学校も行かないで何してたの!
そんなんだから落ちぶれるのよ!
ママはユウちゃんをそんな風に育てた覚えはない!
パパになんて言えばいいのよ!
いい高校に入ってもらわないと!
ユウちゃんにはパパのような立派なお医者さんになってもらわなくちゃ困るのよ!
言い始めるとキリがないようだった。
でも……ただの一度も“何かあったの?”などと言う言葉が掛けられる事はなかった。
こんな言葉を少しでも期待していた僕は、やはり皆が言うように落ちぶれているのだろうか。
[6月3日]
帰りにコンビニでクリームパンを買った。
シロはここのクリームパンが大のお気に入りだ。
案の定、シロは嬉しそうにクリームパンに飛び付いた。
僕はこの時間がなによりも好きだ。
この世の中が、シロと僕の二人きりだけが存在する世界であればいいのに。
しかしその日の夕方、家に帰るといつもは仕事でいないはずの母親が待ち構えるように玄関に立っていて、それは凄い剣幕で僕を怒鳴り散らした。
先生からママの携帯に電話あったわよ!
学校も行かないで何してたの!
そんなんだから落ちぶれるのよ!
ママはユウちゃんをそんな風に育てた覚えはない!
パパになんて言えばいいのよ!
いい高校に入ってもらわないと!
ユウちゃんにはパパのような立派なお医者さんになってもらわなくちゃ困るのよ!
言い始めるとキリがないようだった。
でも……ただの一度も“何かあったの?”などと言う言葉が掛けられる事はなかった。
こんな言葉を少しでも期待していた僕は、やはり皆が言うように落ちぶれているのだろうか。
[6月3日]
帰りにコンビニでクリームパンを買った。
シロはここのクリームパンが大のお気に入りだ。
案の定、シロは嬉しそうにクリームパンに飛び付いた。
僕はこの時間がなによりも好きだ。
この世の中が、シロと僕の二人きりだけが存在する世界であればいいのに。