僕の可愛いシロ [短編]
 今日の僕はいつになくご機嫌だ。だって今日は土曜日だから。

 その上、母親は出張で明日まで帰ってこない。父親は滅多に家には帰って来ていなかったし、たまに顔を合わせたとしても「忙しい」というばかりで、それしか言葉しか知らないのではないのかと思ってしまう。もし仮に帰って来るとしても真夜中だろう。

 つまり、この家には僕とシロの二人きりってわけだ。まさにそれは、僕にとってつかの間の楽園と呼ぶに相応しい空間。

 ベットで昼過ぎまでシロの温かいぬくもりを感じていた。
 幸せだ。このまま永遠に時が止まってしまえばいいのに――本気でそう思う。

 しかし、そんな僕をシロは許してはくれないようだ。先程からしつこいくらいに纏わり付いてくる。普段、僕は学校でいないからシロも寂しいのだろう。

 仕方ない……遊んでやるとするか。



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