君のために俺がいる
放課後。
理香が部活が終わり出てくるところを話しかけた。

「あら。嶺夜さん。お久しぶりです。あれから会いに来てくれないから、嫌われてしまったと思っちゃいました」

「ごめん。突然だけどさ、俺と付き合ってほしいんだ」

全員のまえでそう言った。

「へっ??あえ?」

「あ、ごめん」

何回謝ってんだ?俺。

「まだ、付き合うとか、よくわかんないんです。だから、お友だちからじゃダメですか?」

真っ赤になりながらも答えてくれる理香。

「全然構わないさ。ありがとう」

すごく嬉しい。
せそれからは、俺は毎日理香のところに遊びにいった。

昼も、放課後も。

「嶺夜。俺から離れるなよ」

遠くで、情報屋の静かな呟きが響いた。

俺にはその呟きは聞こえなかった。
< 9 / 36 >

この作品をシェア

pagetop