点零
彼の23歳の冬は

彼女からしたら
25歳の冬だった

付き合って
もうすぐ1年だけど
仕事をしている二人には
あっと言う間だった

そりゃいろいろあったけど

奥手な彼氏に合わせるのは
かなり疲れた



だってそもそも
彼女自身が奥手だから

リードするのは


年上というのと、
夜の仕事をしている
経験のおかげで



最初のHもまるで彼女から襲うような
夏の海だった



だんだん肉食女子とか
自分を認めようとする度に

いや、こいつがおかしいだろ!

突っ込む度に余計に肉食女子になっていった



そんな
彼女を彼は
甘える存在へと
少しずつ定着させていった


秋冬だった



マンネリは書き留めようがなく





春に向けて動き出したのは
しかしながら
彼のほうからだった
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