点零
彼女は職場に来なくなった

今になって
様々なことが思い出される


年上だからと
何でも許してくれると
甘えていた俺は

何でも言っていいと

段々、彼女の言うように
調子に乗っていたのかも知れない。


ボックス回しや
収支、
出勤管理をいろいろして、
幹部で様々な会議をしていると、

自分が本当に幼いまま
彼女に甘えていたと
今になって思える


彼女のいない職場と
彼女のいない一人暮らしの部屋は

全てが思い出だらけで
時々、後悔と反省が
届かない、どこにいるか分からない彼女に
まるで大半を失い
大半をこれから得ていかなければならないと


自分の将来に
希望といろんなことを
いろいろ考えながら
目まぐるしく日々こなした



最近、囲碁が本当に強くなった

大会に出ようと思うけど

昔、年上の青年に
大敗をしているゆえに
大会などの公式の囲碁の対局には
自信がなかった



彼はもう碁会所へはさすがに行かない


仕事と一人暮らし


彼女と付き合う前と今では
まるで全く違う生活だった



なくなってしまった市民球場の近くの平和公園で
今年も平和を考える



孤独な人々が
旅行者の側で
意味もなく座っている





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