彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。


それからも夢はたびたび見ていたけれど、学校では廊下でちょくちょく見かける彼が気になって仕方ない。


彼――耀くん?はどうやら隣のクラスで。いつも騒がしい…いわゆる問題児のグループのリーダー的存在で。


あっけらかんとしていて明るい子で、頭よわいけどあの容貌だから女の子にもモテる……らしい。これは繭ちゃん情報。


いつも誰かが隣にいて太陽みたいに明るい人だ。あったかくて…でもそんな人があたしの夢ではマヌケに死んでいくんだよね。


「なんちゅう夢見てんだあたしは」

「ぶつぶつうるさいなあ。愛しの耀くんサッカーしてるよ」

「愛しじゃない」


繭ちゃんには勘違いをされていてあたしが片思いしていると思い込んでるらしい。うまく説明できないってややこしいな。


サッカーボールを笑顔で蹴る耀くんを自然と目で追ってしまう。恋じゃないのに、こんなに自然に目がいくのはなんでなんだろうか。



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