彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。


昼休み。早々とお弁当をたいらげて向かうは進路指導室。


「男子ばっかだったらどしよ」


なんてぶつぶつ呟きながら、まぶたをこする。


「眠っ」


耀くんに出会ってからも、頻度は減ったもののいまだに夢は見る。昨日はこんにゃくにぺしゃんこにされてた。キツかった。


あれからチラチラあたしは耀くんを気にしてしまうんだけど。


進路指導室に近づくにつれ、ガヤガヤとした騒ぎ声が聞こえてきた。


「失礼しまーす」


小さく挨拶して入る。見事に男子の比率が高いなあ…あっ、


「……あれっ」

「……あっ」


窓側に座ろうとしてたのに。なんとなんと先客は耀くん。とその仲間たちだ。


「いつぞやの自販機の子だよね」


仲間たちのひとりが話しかけてきた。そ、そうです…


「耀にぶつぶつ言ってたヤツな」

「うわああマジですみませんん」

「なに?補習組?」

「ははっ、残念ながら」



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