彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。


それからというもの。

「あっ」

「おーおはよー」

「おっ、はようございます!」


耀くんとその仲間たちから廊下をすれ違ったり階段で会えば挨拶されるようになった。


…まあ、正確には茶髪のケントくんが絡んでくるんだ。

耀くんは未だにあたしを『挙動不審な変な子』と認識したままだろうな、視線が語っているから。


「橘さんってよく会うよね?」


耀くんに同意を求めたケントくん。すると彼は笑いながら静かに言い放った。


「会う場所は大概再試とかが多いんじゃねー?」

うぐっ。

確かに今まで意識しなかったけど小テストや英単語テストの再試では顔を合わせる…ね。


しかも現に今日は歴史の小テスト再試だ。だって先生小テストやるなんて言わなかったんだもん!

…聞いてなかっただけだけど。


「今日もまあ頑張りましょうや」

「ははは、はいっ」


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