彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。

「よく会うっつーことは再試仲間だよな、耀」

「まぁそうなるんじゃね?ヤな仲間だなそれ」


情けなく笑う耀くん。うわっ、笑顔こんな間近で見たのはじめてかもしれない。

こっち(現実)の耀くんは夢の耀くんより断然かっこよく見えるんだよね。マヌケな死に方をしないから当たり前か。


笑顔をガン見してしまった自分にハッとして我に帰った。


「じ、じじじゃああたし、勉強するから」

「おー」


パタパタと席に戻る。急いでいたし、周りが騒がしかったから、


「やっぱり変なんだよな」


という耀くんの呟きなんて知るはずもないのだった。



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