彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。


「……ぁ」


シルエットからはわからないが、髪型からして耀くん……っぽい。


確信がないため、しばらく様子を見ていると耀くんは裏庭の普段はあまり見えない死角にしゃがみこんだ。


(具合悪いとかかな?姿勢が…)


心配になって、いてもたってもいられなくなって上履きをそのままコンクリートの裏庭に行くことにした。


角を曲がって左。確かここに耀くんがしゃがみこんでたはず――



ふわりとスカートがなびく。生暖かい風を受けながら角を曲がるとそこでは耀くんがいた。確かに、いたけど。



「よう、くん……?」


「!?」


耀くんは、泣いていた。


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