彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。
「よっ…えっ」
耀くんは肩をはねあげてビックリしたみたいだったけど平静を装おうとする……遅いよ。
「……っと、橘さん?」
泣いていた表情はいつもの明るくて太陽みたいな耀くんじゃなくて、もっと、なんか、深い。
初めて見たはずなのに何故かどこかで見たことがあるような気がした。
「…心配すんなよ。ちょっと目にゴミが」
――あ、この目と雰囲気
あたし知ってる
情けないような、何かを孕んでいるようなそんな表情をあたしは
「耀くん…死にたいって思ったことない?」
夢で。
耀くんが死んでいく夢で見たんだ。