彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。


死にたいと思ったことはないが、みんなの前では本物を殺している。突発的にそう思った。


でもそんなことが言えるはずなく。誰にも言うなと告げて……


以降、彼女とは目も合わせられない。


 *


事件…とまではいかないが、あることが起きたのは夏休みの前日だった。


「んじゃ、7日は祭りな。詳しくはメールしまーす」


夏休みの予定を楽しげにたてるケント。ホント行事とか大好きだよなあ。


「遊園地とか行きてーな」

「補習のお前らが何を言う」

「結局免除できたの霧島だけだしな」

「プリーズ夏休みいい!」


こうやってワイワイしてられるのなら、俺は本物じゃなくても構わないと思うんだ。

「つか、お前らみんな中学のヤツらとは絡まねえのかよ」


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