彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。


中学――か。


「東中のヤツらとはカラオケ行く予定」

「風原中はボーリングすっぞ」

「俺ら詳しくはまだだけどカラオケと焼き肉行くらしい」


みんな何かしら予定たてて会うんだな…。中学か。


正直、中学時代の友達とはもう中学時代だけの付き合いでいいんじゃないかと思っていた。

「西中は耀だけだよな」

「あぁ、うん」

「会うのか?」


こんな風に無理に明るくしていたら、こうも考えたくなるものだ。久しぶりに会って、またどんな風に振る舞ってたか、嫌われないように――ダメだ。


「いや、中学時代の友達とはもう中学時代だけの付き合いでいいんじゃねーかなとか」

「え」

「えっ?」


俺、今何を言った?


暫く静まりかえった。何か言わなければ、でないと、でないと…!


「おま、薄情かっつの。連絡してやれよ」

「え、あ、あぁ……」


ケントが空気を変えようとしてくれた。でも…やらかした。


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