彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。


この空気――…


考えていたことがポロリと出ただけだ。俺の馬鹿。こんな、こんな空気初めてだ。


「ちょ、頭冷やしてくる」


嫌われたくない
嫌われたくない……


食べかけの焼きそばパンを片手に教室を出る。つちかってきたものが、こんな一瞬でなくなるようなことにはならないようにしたいのに。


「何してんだよ…」


苦しくて、嫌われたくなくて、悔しくて。明日から夏休みなことに救われた。


もうこの際、一生夏休みであってほしいとも願った。



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