彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。
「俺は嫌われてんだから。本当は暗くて否定的だから、嫌われる」
まだ言葉を並べようとしたら、橘さんが黙った。な、なんなんだ…
しかし次の瞬間――
「バッカじゃないの!」
キッと彼女に睨み付けられた。ば、ばか?
「何怖がってんの!みんな耀くんを友達だって思ってるに決まってるでしょ」
「っ、はぁ?なんでそう思うんだよ」
思わず熱くなる。嫌だ。でも、なんでか止まらない。
「ケータイも繋がらない、メールしてもダメって。補習中もそればっか、心配してる証拠でしょ」
「いつも無理に明るくしてる俺でもか?こころから笑ってられる橘さんと、俺は違うから」
「なっ……」
口ごもった彼女につい気持ちを吐き出したくなる。今まで何を考えてきたか、とか。
「俺は、友達に嫌われんのが怖い」