彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。


「あ!いたいた」

「耀くーん」


聞きなれた声に、梨々から視線を外した。

うち上がっている最中、俺の名前を呼びながらキョロキョロしてるのは案の定、いつものメンバーだ。


「おーい!」とブンブン腕を振り回している。そんなにしなくてもわかるっての。


「アレ?隣あれ橘さんじゃね?」

「ええ!やっぱ耀のヤツ隅に置けねーな、紹介しやがれーこのやろ」

「彼女かあああ!?」


遠くからも丸聞こえな会話が恥ずかしいんだけど。彼女ではないんだけど。


手招きするケントを見たのか、梨々は「早く行きなよー」と急かす。


「せっかく」


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