彼女によると、俺はキリンに食べられたらしいです。


「ふああ……」


おかげで不思議でふわふわした目覚めが続いている。若干寝不足だ。


「またDVD?」

「繭ちゃ…いや寝不足なだけ」

「次自習だから寝てなよ」

「そうするー」


先生が忙しい生徒指導の役職だから科学は自習が多い。次は完全に寝れる。まぁそこでまた夢を見るかもしれないんだけど。



眠りに入って、どのくらい経っただろうか。ぼんやりした頭をフル回転。気がつけば目の前にまた例によって男の子が立っていた。


白いTシャツにカーゴパンツというラフな格好だ。いかにも夏って感じ。


しかも彼のそばには空っぽのプールがある。彼は何を思ったかプールに入り、あたしを手招きした。ちょいちょい。


「なに?」


とあたしが近寄った瞬間――


プシャーッ!!


「!?」


勢い良く、プールの真ん中から紫の液体が吹き出した。えっ?怪しいこの液体何?


その男の子は目を見開きながら「ハッ!?」とか驚いた後、紫の液体の匂いを嗅いでにんまり。


「これ、ファンタだ」


はい?


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