愛 声【密フェチ】
愛 声
「……もっと鳴けよ」
愛しいのは、この声。
少し鼻にかかっていて、
低くて、
殆ど抑揚がないくせに絶妙な甘さを含みながら中に入ってきて、
私の奥から、
言葉になりきらない吐息とか、
蜜とか、
恥ずかしいものをとめどなく溢れさせる。
口数の多い人じゃない。
だからこそ余計に、その声は私を幸福にし、
翻弄し、
そして、駄目にする。
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