愛 声【密フェチ】
けれど、彼の言葉はどこまで本気なのかが分からない。
最近になって気づいたのは、
私の耳にその湿った唇を押しつけて、感情が漏れ出さないように直接流し込んできた言葉だけが嘘のない、本物ということだ。
私はそれを、セックスの最中にしかされたことがない。
そうされると、あらがうことが出来なくなる。それを知っているが故の彼の行為。
……ズルい人。
「まだ……イクな」
鼓膜を震わす声に、昇り詰めてしまいそうになるのを必死で堪える。
――けれど。
「も……ダメ」
耐えられない。
私を突くその動きにも、あなたと一緒にいることにも。
だから、今夜で終わりにする。