未来へのボール*SPRING*
「ちょっと遊んでこーぜ。」
「………は?」
何で。
「せっかく、ゴールとボールもあるし。
バスケやろうか。」
いやいや。
何言っちゃってんの。
このどしゃ降りの中で?
確実にずぶ濡れだしっ。
「何?ほら行くよ。」
「うわっ。」
先輩はあたしの手を取り、
広場の中に入った。
持っていた傘、
肩にかけていたバッグを
先輩は投げ捨て、
転がっていたボールを手に取った。
あたし達はすでにずぶ濡れ。