未来へのボール*SPRING*
声のした方を向くとそこには。
「こんにちは。」
まさしく、俺が待っていたアイツが。
赤い縁の眼鏡は
もう付けていなかった。
「あ、ああ。」
思わず返事をしたらどもった。
ヤバいぞ。
めっちゃ可愛い。目が。目がヤバい。
「あれ。
今日来ない方が良かったですか?」
彼女は「どうしよう…」と言いながら
キョロキョロしている。
その細い腕の先の手に、
白い紙が握られていた。
「……それは?」
俺は彼女が手に
握っていたソレを見ながら聞いた。
「?あ、えと。入部届け?」
……へ?
「マジで?」
もう入部してくれんのかよ。
俺と彼女以外の奴らは
全員唖然としている。