未来へのボール*SPRING*
――3年前の5月。
俺はいつも通りに
体育館で練習していた。
「またサクかよー!!」
「俺の勝ちー。
ちゃんと後でジュース奢れよ。」
「ちぇっ。」
《ガラッ》
体育館のドアが開いた。
「よーし。集合ー。」
入ってきたのは監督だった。
「今日の練習はこれまで。
これからここで
女子が練習試合するから
見たい奴は上にでも上がってろ。」
「「「「「「はーい。」」」」」」
「あ。監督っ。
練習試合って、どことですか?」
俺は試合相手を聞いた。
「真鶴中女子バスケ部だ。」