未来へのボール*SPRING*

「……平気。

それよりお前、スゲー上手いな。」

少女は少し驚いた様子だった。


「そうですか?

先輩も上手ですよ。」

違ぇーよ。お前が1番上手いんだよ。


知りたい。

"天賦の才能"の持ち主の名前を。


「…名前。」


「はい?」

少女は首を傾げた。


「名前、なんつーの?」

目の前にいる、その少女に聞いた。


「橘、です。橘、羅琉。」

それが、天才の名前だった。




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