未来へのボール*SPRING*
すると彼女は驚いた表情をした。
すぐに戻ったが。
「…先輩。
あたし、今言いましたよね?
バスケは嫌になって辞めたんです。」
彼女は言った。
だがシノは引かない。
「ホントにバスケが嫌で辞めたの?
私はバスケに嫌なところなんて
無いと思うけど。」
確かに。
俺もバスケが好きでバスケを
今までやって来たが、
嫌いになんてなったことは無い。
「…ホントです。嫌なんです。
すいません、
あたし、失礼します。」
「あ、おいっ!」
止める間もなく、
彼女は体育館から出て行った。
「はぁー。
サク、どうすんだ?」