未来へのボール*SPRING*
「すいません。
誰かシューズ貸してくださいませんか?
24.5cmなんですが。」
制服は別に構わないが、
さすがに上履きのままだと滑り易い。
「あ!ラルっ!
私のシューズ貸すよっ!!」
出てきたのはミツだった。
「あ。ありがとう、ミツ。」
サイズもぴったりだ。
「なぁ、マジで会長と勝負すんの?
あの子…。」
「ほっせーし絶対負けんだろ…。」
ああ、やだやだ。
目立ちたくないのに。
あたしは小声で喋る人達の
間をすり抜けて、
会長のいるコートまで行った。