未来へのボール*SPRING*

「…じゃ、あたし帰ります。

もうチラシ入れないでくださいね。」


今のお前は

凄く苦しそうだ。


顔に、表情には少しも出ていないけど、

その小さな背中からは

寂しさしか感じなかった。


彼女はシューズを脱いで、

持ち主にそれを返して

自分の上履きを履き、

体育館の扉に向かって歩いていた。


………。






< 86 / 123 >

この作品をシェア

pagetop