未来へのボール*SPRING*
彼女が出て行った体育館は
静寂に包まれる。
「………す、スゲーな…。
橘羅琉って…。」
その静寂を破ったのは
レムだった。
「シノ…。
今のプレー、どうだった?」
俺はシノの方を向いて、
さっきの彼女の動きを聞いてみた。
「………。
一言で言うとかなり凄い。
"天賦の才能"を見たって感じ。」
やはりか。
「でも、
あんなに上手いと余計気になる。
なんでバスケを辞めたのか。
それに…。」
シノはそこまで言うと
言葉を止めた。
なんだ…?