未来へのボール*SPRING*

数秒の間を置いてから、

シノは続けた。


「……なんて言うか。

前にミツが言ってたの、

何となく分かった気がする。」


「ミツ…?」

誰だっけ。


「ホラ、前にラルちゃんと

バスケ部見にきて、

うちのバスケ部に入部した子。」

あ、分かった。


『一緒にやりたそうだった』


そう言った子か。


「私も今日、

プレーしてるラルちゃんを見て、

とても嫌ってる様な

動きじゃないと思った。

バスケが嫌なら、

あんな動き出来ないと思う。」

あんな動き…。


「ラルちゃん、

本当はバスケが物凄く

したいんだと思う。」





< 91 / 123 >

この作品をシェア

pagetop