未来へのボール*SPRING*
数秒の間を置いてから、
シノは続けた。
「……なんて言うか。
前にミツが言ってたの、
何となく分かった気がする。」
「ミツ…?」
誰だっけ。
「ホラ、前にラルちゃんと
バスケ部見にきて、
うちのバスケ部に入部した子。」
あ、分かった。
『一緒にやりたそうだった』
そう言った子か。
「私も今日、
プレーしてるラルちゃんを見て、
とても嫌ってる様な
動きじゃないと思った。
バスケが嫌なら、
あんな動き出来ないと思う。」
あんな動き…。
「ラルちゃん、
本当はバスケが物凄く
したいんだと思う。」