恋愛待機中
恋をする。
崎村 奏。25歳。


恋愛偏差値は低い。


恋に恋して盛り上がるが、結局のところ、
一人で勝手に盛り上がっているだけで、
上手くいかないパターンを繰り返している。

あとから気付く。

たいして、好きでもなかったと。

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「ふぅ。」


「溜息が深いじゃん。なんかあった?」


仕事終わりに同僚であり、友人の朋子と奏は近くのレストランでワインと食事を楽しんでいた。

その最中に奏は頬杖をつきながら溜息をつく。


「なんか酔ってくると考えるわけ。」


「何を?」


「周りはさ、ほら、先月退社した葉月だってさ、
どんどん結婚していく訳じゃん。私、結婚出来る日くるのかなって。」


「ははは」


「なんで笑うのよ。笑うとこじゃないじゃん、真剣なんだから」


「いや、だってさ。結婚云々いう前にまず、恋人を見つけなさいよ。
まずは相手を見つけなきゃ。そこからでしょ」


「まぁ、そうなんだけど。好きな人もいないしなー」


「いないのに、結婚とか無理でしょうが。」


「なんか付き合っても、そこから先に進めない気がすんのよ。」


ワイングラスを見つめながら、奏は溜息を繰り返す。


「引きずってんの?」

朋子は白身魚をフォークとスプーンで器用に切り分け口に運ぶ。


「いや、なんも引きずってない。いや、引きずってはいないけど、
引きずってんのかな…」


「意味わからん。」


「いや、元彼は引きずってないけど、恋愛ってどうしたら良いのかわからない感じがしてさ。」


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