ノクターン
「どうしたの?」

「別に…。やっぱり今日はナシにしてくんない?」

「えっ!?自分から誘っといてそれはなくない!?」

「マジ…。わりぃ…。」



俺は知らない女をクラブの前に置き去りにして自分のアパートに帰った。



今日は…。



落ちるだけ落ちさせて?



誰も見てねぇし…。



泣いてもいいですか?



俺は未来と別れて以来に泣いた。



女と別れて泣くのってマジダセェ…。



『男のくせに泣くなんてあり得ない』



初めて未来とライブに行った日にそう言われたっけ…。



有り得ない…。



でも未来がどんどん俺の中に入ってくんだよ…。



俺をどんどん闇の中に落としていく…。



俺は泣くだけ泣いた。



もう嫌われた。



それでいい…。



未来は俺を忘れればいいんだ…。



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