ノクターン
4限目も終わり、俺は井上より先に屋上に行こうとタバコをポケットに押し込んだ。



準備室に一応鍵をかけて歩き出す。



メシ何かよりも早く井上に会いたかった。



「グッサン!!」



一瞬聞こえない振りをしてシカトしようかと思ったけど、教師とはそう言うわけには行かない生き物。



「何だ?」

「この前言ってたCDなんだけどさ、やっぱり貸して?」

「わかった。明日持ってくるわ。」



何とか会話を最小限に押さえてまた歩き出す。



「グッサン!!」



俺は人気者らしい…。



それから2人の生徒に呼び止められてようやく屋上に来れた。



井上はまたフェンスに登ってる。



屋上は太陽に近くて校舎の中よりも熱かった。



井上を下から見上げると、今日はピンクらしい。



「ピンク~♪」

「きゃぁ!!」



やっぱりカワイイ…。


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