ノクターン
降りてきた井上の頭をぐしゃぐしゃにしてやった。



井上は何も喋らずに下を向いてる。



「怒ってんの?」



俺がそう言うと、井上は下を向いたままフルフルと首を横に振った。



「何だよ。何か喋れよー。」



俺がそう言うと、井上は顔をあげた。



井上の顔が赤いのは、俺が待たせたせい?



「来ないかと思ったし。」

「来ないわけねぇじゃん♪」



井上が呼んだらドコにでも飛んでってやるよ。



それから井上と他愛もない会話をした。



今日は会えないと思ってただけに、この昼休みはかなり喜ばしい。



「井上メシ食った?」

「アイス食べた♪」

「それはメシじゃねぇ。ちゃんと食わねぇと夏バテしちゃうよ?」

「先生もね♪」



俺は井上と過ごす時間がとてつもなく好きだ。



< 55 / 191 >

この作品をシェア

pagetop