運命を変えるため。
母親の死後、父親や叔母さんに引き取ってもらう話も出たそうだか、二人は頑なに断った。
明日香はそれを意地だと笑ったが、俺には強さだと思えた。
「お母さんは守れなかった。でも、私はゆうちゃんなら守ることが出来る」
俺の目を見据えて、そう言った彼女の瞳からは、揺るぎない覚悟を感じ取ることが出来た。
「続きは、部屋で話そうか」
そう言って立ち上がった明日香は、俺の手を引き、二階へ上がった。