運命を変えるため。

「私は、未来から来ました」

 俄には信じられない。またからかわれているのかと思った。しかしそんな考えは、明日香の真剣な表情によって、すぐに否定された。

 様々な疑問が浮かぶ。どの時代から来たのか、どうやって来たのか、何のために来たのか。それらの疑問は、既に明日香の言葉を信じていることに他ならない。

 現実では「有り得ない」はずのことを、いつの間にかいとも容易く受け入れていたのだ。

 俺の反応を窺いながら、口に出さない疑問に答えるように明日香は言葉を続ける。
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