運命を変えるため。

「未来、私にとっては過去、だけど……。八年後、私とゆうちゃんは結婚してるの。子どもも居る」

 それは俺にとって、良い未来に他ならない。こんなに大切に思っている彼女と結婚し、子どもまで授かっているのだから。
 先程明日香の母親に挨拶をしたときの記憶が蘇る。

「もしかしたら、夢だったのかも知れない。そうだとしたら、長すぎる予知夢だけど」

 過去に戻ってきてから、明日香なりにたくさんの仮説を立て、いろんなことを考えたのだろう。
 そうなると、俺は明日香が一番近いと感じたのであろう「未来から来た」いう解釈を、受け入れざるを得ない。
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