運命を変えるため。

 それから俺たちは、たくさんの話をした。未来の話もした。それは、八年後の未来なんていうものではなく、もっと先のもの。
 俺の死なんて、考えさせないくらいに、先の話をした。それを実現させるためにも、俺は死ぬわけにはいかない。

 兼ねてから些か疑問に思っていたことも、ぶつけてみた。
 問いに対して、明日香は簡潔に、それでもどこか恥ずかしそうに答える。

「部活や生徒会なんてしたたら、ゆうちゃんとの時間が少なくなっちゃう」

 そう言って曇りのない笑顔を見せる彼女は、純粋に俺を想っていたのだ。
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