運命を変えるため。

「ゆうちゃんは私のだもん」

 それだけ言うと、再び黙り込む。彼女の鼻をすする音と、口で空気を吸い込む音が小さく響く。

 いくら頭を使っても理解できぬまま、体勢も変わらず、そろそろ圧迫されすぎて呼吸が苦しくなってきた頃、漸く明日香が腕を緩める。

 腕は首の後ろに回されたままだ。いつもより、数十倍も近い位置に明日香が居る。
 目を合わせるのが恥ずかしくなるくらいの至近距離で、明日香はもう一度言った。

「ゆうちゃんは、私のだもん」
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