運命を変えるため。
「あ〜、補習決定かよ」
俺がぼやくのを、大葉が笑いながら宥める。
数学だけは、どれだけ頑張っても成績が伸びないのだ。
幸い部活動には参加していないし、数学の補習は月曜日だけなのでアルバイト先にも迷惑はかけない。
しかし! それは要するに、明日香と過ごす時間が削られるということに他ならない。
付き合い始めて二ヶ月、倦怠期なんてまだまだ影も見せない俺達に、補習という弊害は鬱陶しい以外の何物でもないのだ。