運命を変えるため。
「というわけで、明日香先輩、ご教授よろしくお願いしま〜す」
相変わらず語尾に音符を付けながら、大葉は明日香に話し掛けている。
対する明日香も、笑顔でそれに応える。
少し、嫌な感じだ。
俺と大葉は課題で出された数学の問題集を解いていき、わからない部分を明日香に質問する。
明日香の教え方は、つまらない授業をする先生とは比にならないくらい上手かった。
たまに問題集から顔を上げると、明日香が視線を合わせて微笑んでくれる。
そこに明日香が居る。それだけで、俺は何でも出来るような気がしていた。