運命を変えるため。
「それで、話って何ですか?」
恥ずかしさを紛らわすように、小さく咳払いをしてから、漸く本題を切り出した。すると先輩もわざとらしく両手を合わせて、忘れてたと言わんばかりの顔をして見せた。
さぁ、本題に入るぞ! と思ったが、先輩の口から出てきたのは、また想像の斜め上を行く話題だった。
「教室で話してたのは、赤石美里ちゃんかな?」
「え? あぁ、そうですけど……」
意味のわからないまま答えると、続いてまた、見当もしていなかった言葉を見舞われる。