運命を変えるため。

 少し考えてみても、あまり格好のつく言葉は思い浮かばず、極めて在り来たりな言葉を以て先輩への答えとした。

「えっと……俺で良ければ、よろしくお願いします」

 俺の言葉を受け止めた瞬間、期待通りの満面の笑みを浮かべた先輩は、それでもあたかも予想通りの答えを聞いたかのように、満足げに頷いている。

「じゃあ、ゆうちゃん!」

「え?はい」

「まずは敬語をやめよう!」

「あ、はい……いや、うん」

 本日何度目かの「当たり前のように」愛称をつけられ、敬語禁止令を出された俺は、ぎこちないながらも返事を返す。
 しかし、追い討ちをかけるように、先輩は更に指令を増やした。
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