運命を変えるため。
そんな先輩達を横目に、人波に任せて進んで行くと、校舎の入り口が見えた。そしてその前に、人だかりが出来ている。
人だかりの中心にあったのは、容易に想像することの出来たものであり、何のことはない、所謂クラス分けが貼り出されているのだ。
とは言え、大多数の生徒からすると、クラス分けは高校最初の一年間を如何に快適に過ごすことが出来るかと言っても過言ではないほど気になるものでもある。
しかし、俺がその大多数に含まれない理由も、もちろん存在している。その理由というのも単純明快、この学校にはまだ友人が居ないのだ。
多くは同じ中学出身の者同士で登校し、クラス発表を確認している中で、俺はそこに一人で居る。
言わば、これから全く新しい環境で、真新しい生活を始めるのだ。
そう、誰も俺の過去を知らない、この場所で……。