運命を変えるため。

 駅に向かいながら、このまま真っ直ぐ帰ってしまうのもどうかと思い、提案する。

「どこか、寄らない?」

 明日香は俺の顔を見上げて少しキョトンとした後、いつもと変わらない笑顔に表情を移して軽く返事をした。

「いいよ、どこに行く?」

 俺達は少し悩んだ後、明日香の提案により、カラオケにでも行こうかという結論に辿り着いた。

 本当はもう少し静かに話の出来る場所に行きたかったのだが、まずは明日香と仲良くなりたいと思っていた俺は、快くその意見を受け入れた。

 店に着くと、平日ということもあり、人は疎らだった。
 俺達はほとんど待つこともなく受付を済まし、指定された個室へ入っていく。
< 33 / 139 >

この作品をシェア

pagetop